平安時代、「和歌」は人と応対するための手段でした。現代でいえば、「メール」といったところでしょうか。

　女性が人前に出ることは滅多にないため、まずは和歌でその人の教養や魅力が判断されます。つまり、和歌が下手であると、魅力を感じてもらえず、その時点で恋は終わりを迎えてしまうのです。また、歌の内容はもちろんのこと、調子の美しさや季節の風物の織り込み方…さらには、筆跡や墨の色、歌にあった紙の色や質のセンスまでも重要となってくるのです。

　そのため、女性たちは必死に勉強をしたといわれています。高度な歌のやり取りを繰り返して、ようやく恋を実らせていくのでした。

次回は…「離婚の方法」です！お楽しみに